客先常駐で悩んでいる人の多くは、受託開発や自社開発を行っている企業への転職を考えたことがあるのではないでしょうか。
僕自身も同様の思いを抱き、先日受託開発企業への転職を果たすことが出来ました。果たして目指した場所は理想通りだったのか。
転職して2ヶ月時点の心の内を書いてみたいと思います。
理想とのギャップ
僕が客先常駐で特に嫌だったのは以下の3点です。
- 適切な評価を受けられないこと
- 周りの向上心が低いこと
- 働く場所がコロコロ変わること
転職のおかげで上記3点は確かになくなりました。
業務は等級制に分けられているため評価基準が明確になりました。
周りは技術好きの人が多いので、学べる機会が増えましたし、社内で働けるようになりました。
前職から比べれば夢のような環境ですが、だからこその悩みや厳しさも感じ始めています。
納期への厳しさ
客先常駐の頃はあくまで受け入れ会社のパートナー社員という立ち位置でした。
契約も準委任契約だったので、提供物の完成責任を負うことはありませんし、スキルが足らなければ常駐先を変わるだけの話です。
受け入れ会社が納期の話をしていても、「そんなに焦らなくてもいいやん」とか「別に責任はないし放っておこう」と他人事で考えることが出来ていました。
けれども受託開発だと、納期に間に合わなければお金が入ってこないので、企業の存続自体が危ぶまれます。なので同僚たちの納期に対する意識は高く、間に合わせるためなら残業や休日出勤も当然のように行われる環境になりました。
仕事の進め方もスケジュール管理が徹底しており、常にリミットに追われる苦しさを感じています。
個々の能力が高い
僕の会社では設計から検査までのすべてのフェーズを請け負っています。
エンジニアの人数は少ないのだけれど、一人一人の能力が客先常駐の頃に比べれば格段に上がっています。
以前は検査フェーズのリーダーをしていましたが、僕はコードを書いた経験が乏しく、設計の経験がありませんでした。入社してから気づきましたが、そもそもなぜ採用されたのか理解できないレベルでした。
今は設計書を元にしたコーディングや検証作業を手伝っているのですが、分からないことが多すぎて何も出来ない状態が続いています。
身を置く環境によって人はまったく活躍できなくなことを肌で感じています。
技術に対する向上心
客先常駐の契約は、生み出した成果ではなく、労働時間をベースにした契約が一般的です。
これだけの製品を作ったから100万円を支払うのではなく、180時間働いてくれれば100万円支払いますよ、といった契約になります。
このような環境だと極端な話、エンジニアは効率化や自動化を行う為の技術的な向上心を持ちづらくなります。
技術力を上げて、業務時間を短くすると、支払われる金額が減るからです。
一方、受託開発では技術力の向上は常に考えざるを得ない課題です。利益を上げ続ける為には、より早く、より良い品質でものづくりを行わなければなりません。元々物作りが好きな人が多いのは勿論ではありますが、環境も相まって変化をし続けようという意識が高いです。
理系とグローバルの壁
組み込み業界ということもあり、周囲のほぼ全員が理系出身者になります。僕は文系出身なので、学生の頃から工学的な学習をしてきた彼らとは知識量や思考力の側面で勝つことが難しいと感じています。
また全体の半分ほどがインドやタイの外国人であり、英語をベースとした複数言語を操つることが出来ます。国外のエリートたちの凄さを肌で感じることで、自身の能力不足と頑張らなければという思いを常に感じる環境になっています。
転職してみて感じたこと
「隣の芝は青い」という諺があります。他人の物事はよく見える、という意味です。
客先常駐時代から、受託自社開発に理想を抱いてきましたが、いざ転職してみると環境の厳しさに打ちのめされそうになっています。
この環境で生き残るためには、個々の技術的スキルは必須であり、将来的にスキルを磨き続けるか、マネージメントへの転換を行わなければ働き続けるのは難しいでしょう。
世の中では人間の仕事がなくなるだとか、スキルを磨かなければ生き残れないだとかが叫ばれ続けているけれど、僕は一生努力し続けなければならないという状況に対して、疑問を覚えるようになりました。
スキルが上がれば、給料が上がる。固有のスキルがあれば、生き残れる。確かにそうでしょう。
ただ、それらを手に入れる為には、たゆまぬ努力と競争をし続けなければならないのだと、今回の転職で考えるようになりました。
ぬるま湯の中でプカプカと気楽に過ごすのか。厳しい環境に身を置くのか。
転職によって自身がどちらの環境を本当に望んでいるのか、考えるきっかけとなりました。
転職するならエージェントを利用するのがオススメ
転職を考えるなら、エージェントを利用するのがオススメです。
履歴書の書き方から、スキルの棚卸しまでエージェントが親身になって付き合ってくれます。
僕は転職活動で以下のエージェントを利用しました。
・マイナビエージェント
・リクナビエージェント
・レバテックキャリア
の3つです。
それぞれの印象としては、
・マイナビエージェント
→サポート体制が整っており、履歴書や経歴書などの相談にも乗ってくれました。非公開求人が多く、特に20代〜30代の若手に定評があります。
ただ組み込み業界に関しては、他エージェントに比べて求人数が少なかったです。Web系志望の方の利用はおすすめです。
・リクナビエージェント
→求人数が圧倒的に多かったです。私はほぼリクナビ求人に応募して活動していました。
エージェントの方も丁寧で不安なことがあれば、相談に乗ってくれます。定期的に情報共有できる機会も提案してくれたため、安心して活動に専念することができました。
・レバテックキャリア
→求人数は少ないのですが、エージェントと企業のパイプが強い印象を受けました。過去の面接者が落ちた理由を教えてくれたり、給与交渉も積極的にしてくれました。
私自身はレバテックキャリアでの転職を経験しています。