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客先常駐

客先常住(SES)を今すぐ辞めたい方へ!辞め方と伝え方を徹底解説

  • 客先常駐(SES)を辞めたいけれど、迷っている…
  • どんな手順で会社に伝えればいいかわからない
  • 将来が不安だ…

SESを辞めたいけれど、あと一歩が踏み出せない。

プロジェクトの途中だ、客先との契約期間が残っている、訴えられたらどうしよう…。

どのような手順やタイミングで辞めればいいのか迷いますよね。。

ご安心を!

SESは1か月あれば簡単に辞められます。詳しく解説していきますね。

記事を書いている私はSESから自社開発企業へと転職。現在も自社開発企業で働いています。

自身の経験を踏まえて、退職の手順と伝え方について解説していきます。

①契約期間中・プロジェクトの途中で退職可能?

結論から言うと、契約期間中やプロジェクトの途中でも退職は可能です。

退職とは労働者からの申し出によって、労働契約を終了することです。

実は労働基準法に退職に関する明確な定義は定められておらず、あくまで労働者の自由とされています。

そのため、労働者の退職は就業規則以外だと民法が適用されるのですね。

民法第627条では、無期雇用者については退職を伝えてから2週間が経過すれば退職できると定められています。

またSESは民法第656条の準委任契約に該当し、企業間の契約に基づいて客先に常駐しています。その為、退職の意思の伝え先は雇用主(自社)のみでOKです

常駐先には退職の意思を伝える必要がありません。

プロジェクトの途中であれ、あくまで契約は雇用主と客先で結ばれた契約です。

あなたと結んだ契約ではありませんので、気にしなくても大丈夫ですよ。

退職を伝えて2週間後には辞められます!

退職の意思は自社へ伝えるだけでOKです。

②1か月前には自社へ退職を伝える

ただし円満退社をしたいなら、1か月前には退職の意思を伝えるのがおすすめです。

退職には様々な関係者が携わります。

営業担当者は客先に退職の意向を伝え、事務の担当者は退職手続きの書類を作成し、後任者は業務を引き継ぐ。

周囲の状況を考えながら行動することで、トラブルなく円滑に退職することができるんですね

またメールやチャットで履歴を残しておきましょう。

退職の意思を伝えても、口答だけだと聞いていないと胡麻化されたり、意思が正確に伝わらない可能性があります。

エビデンスは、余計なトラブルを防いでくれます。

退職理由はどうする?

正直なところ理由は何だって構いませんが、余計な詮索をされず、スムーズに退職できる理由をご紹介します。

  1. スキル不足のため、将来が不安
  2. 受託開発や自社開発企業に行きたい
  3. 常駐先が合っていない

スキル不足のため、将来が不安

SESの案件はスキルがない場合、運用・保守といった比較的簡単な業務に配属されやすいです。

一度キッティングやヘルプデスクといったITスキルをさほど必要としない案件に配属されると、システム開発の経験が積めず、スキルを身に着けることが難しくなります。

エンジニア業界では、プログラミングスキルを習得し、開発や設計といった上流工程や条件のよい転職先を目指すことが良いとされています。

周りも状況を理解している為、受け入れてもらいやすいです。

受託開発や自社開発企業に行きたい

SESから受託開発、自社開発を目指す転職者は多いです。

SESでは業務の一部しか任されず、システム開発以外の雑務に拘束されることが少なくありません。

エンジニアとしてキャリアアップするには、個人の資質だけではなく将来をイメージし、適切な環境に身を置く必要があります。

今の環境ではあなたの望むキャリアをイメージできないのであれば、「システム開発に積極的に関わって、将来的には上位フェーズ(設計/開発)で活躍できるようになりたい」といった伝え方がおすすめです。

常駐先が合っていない

客先常駐では契約が終了する度に、派遣先を転々とします。

3年働ければ長期の案件。毎回新天地で一から新しい人間関係を築いていかなければなりません。

『嫌われる勇気』で注目を浴びた心理学者アルフレッド・アドラーは、「すべての悩みは人間関係の悩みである」と説きました。

どれだけ高い給料や興味のある仕事であっても、「誰と働くか」で働く楽しさは変わるのですね。

職場の人間関係は大きなストレスとなります。

常駐先では同じ会社の人間がおらず、誰にも悩みを相談できないことがあると思います。

人間関係に疲れてしまったら、思い切って辞めるのも一つの手段です。

退職の意志を伝える場合は、「人間関係に疲れてしまって…」と伝えるのではなく、「客先常駐以外のスタイルで働きたい」という気持ちを前面に出すとよいでしょう。

人間関係を理由にしてしまうと、他の常駐先への移動といった配置転換を提案される可能性があります。

具体的な退職のステップ

退職の理由を考えた所で、具体的な退職の手順をご紹介します。

  • STEP1
    就業規則・契約期間を確認
  • STEP2
    有給を消化する
  • STEP3
    退職後の生活を思い描く
  • STEP4
    退職手続きを行う

STEP1:就業規則・契約期間を確認

会社で定められた就業規則を確認しましょう。

無期雇用者であれば、退職を伝えてから2週間が経過すれば退職できるので安心してください。

悪質な企業の場合、例えば「退職の意志は3か月前に伝えるように」といった記載がある可能性がありますが、就業規則が法律に違法している場合は無効となります。

仮に常駐先との契約期間が残っていた場合でも、ルール通りに手続きを踏めば問題ありません。

STEP2:有給を消化する

有給休暇は労働者に与えられた平等な権利です。

請求する時期や利用目的について、一切の制限はありません。

「辞めるのに休むなんて申し訳ない…」と思われるかもしれませんが、有給の取得は労働者の権利であり、有給を取得させることは会社の義務でもあります。気にすることはありません。

とはいえ、1か月前に退職を伝えた後に有給をフルで使うとなると、現場によって反感を買ってしまうかもしれません。

数か月前から毎月3~5日ずつ程度を計画的に取得できるとベストです。

会社を辞めると残っていた有給は無くなってしまいますので、可能な限り使ってしまいましょう。

STEP3:退職後の生活を思い描く

退職後にどのような生活をしたいのかを考えてみましょう。

「転職」、「起業」、「しばらくは休息期間にしよう」

選択肢は人の数だけあり、正解・不正解はありません。

あなたにとっての理想を思い描き、どうすれば目的地へ辿り着けるかを考えてみることです。

おすすめなのは、好き嫌いを知ることです。

今までの人生で何に興味を持ち、何が許せなかったのか。

人の性格は3歳くらいに形成され、10歳くらいに確定すると言われています。

過去を振り返ることで、あなたの志向や得意分野が明らかになります。

それらをベースに将来を考えてみるとよいでしょう。

STEP4:退職手続きを行う

退職の意志を伝えた後は、会社の指示に従って退職手続きを進めていきましょう。

基本的にやるべきことは、業務の引継ぎ・退職の書類作成くらいです。

ただし退職届は辞める2週間前までに会社へ提出してください。

もし担当の営業マンが動いてくれない場合、直属の上司や本社の人事担当者へ連絡するのも手です。

退職届さえ提出できれば辞める権利が得られます。必ず提出するようにしましょう。

参考:退職までのプラン

退職プランを立てる4か月前~半年前 転職先を探し始める
退職の意志を伝える1~2か月前 退職の意志を伝える(上司・担当営業マン)
退職届を提出2週間前~1か月 ※就業規則を確認
引継ぎと書類作成1か月前~当日 後任者への引継ぎ、退職の書類作成

③転職先を事前に決めておく

事前に転職先が決まっていると、自信を持って退職できます。

  • 将来的な収入に不安を感じなくてもよい
  • 転職市場での自分の価値を理解できる
  • 次が決まっているので、引き止められても意思がぶれにくい
  • 会社からの引き止めに合いにくい

私が客先常駐を辞めた時、次の転職先は決まっていませんでした。

その結果、会社から「あと1か月退職を延ばせないか…?」と打診され、次が決まっていないので「まあいっか」という気持ちでズルズルと退職を引き延ばされた経験があります。

将来が決まっていない不安や転職活動への恐怖から、楽な道へと流されてしまったんですね。

転職先を決めておくと、気持ちがブレにくくなります。

意思が揺らいでしまわないか心配な方は、スムーズに次のステップへ進むためにも、転職先を決めておくとよいでしょう。

④バックレはトラブルの元

客先常駐の現場では、バックレる方を時たま目にします。

突然音信不通になり、いつの間にか皆に忘れ去られていく存在。

バックレは確かに手っ取り早く、精神的にも楽な選択肢だと思います。

けれども、以下の理由からお勧めはしません。

  • 逃げ癖が染み込んでしまう
  • わざわざバックレなくても退職は可能
  • 源泉徴収票や離職票をもらいづらくなる
  • 会社とトラブルになる可能性がある

私がおすすめしない一番の理由は、あなたの「これからの生き方」に大きく影響するからです。

「あのとき逃げなければよかった…」「もっとうまくやれたんじゃないだろうか…」

過去を振り返った折に、いつまでも退職時の記憶が心のシコリとして残ってしまうんじゃないかと思うんです。過去を変えることはできませんからね。

「精神的にもう限界だ・・・」「退職の意志を尊重してくれない」「ひどい暴言やセクハラをされる・・・」

それ以外は通常の退職ルートを選択しましょう。

⑤最終手段としての退職代行サービス

ただし、どうしても正攻法で辞めさせてもらえないのであれば、退職代行サービスを検討してください。

退職代行サービスとは、「労働者本人に代わって代行業者や弁護士が会社に退職の意志を伝えるサービス」を指します。

近年インターネットやSNS、テレビといった様々なメディアで取り上げられるようになりましたが、実は10年以上前から「弁護士が業務の一環として行う業務」でもあるんです。

意外と歴史のあるサービスなんですね。

けれども、ここで1点だけ守っていただきたい注意点があります。

依頼は必ず信頼できる業者にお願いすることです。

報酬を得る目的で、弁護士しかできない業務を弁護士以外が行うことを非弁行為と呼びます。

これは立派な違法行為です。

弁護士資格のない退職代行業者が非弁行為をした場合は、懲役や罰金が科されます。

違法が発覚した場合、会社は違法業者を相手にする必要はなくなるので、退職手続きが止まってしまう可能性があります。

その場合、新たに別の業者や弁護士に依頼し直さなければならず、依頼者と会社でトラブルになる可能性があります。

信頼できる業者であれば、安心して退職手続きを行ってくれるでしょう。ど

この業者にしようか迷ったら、退職代行SARABA or 弁護士法人みやびをお勧めします。

以下の記事に詳細をまとめていますので、参考にしてみてください。

SESの辞め方・伝え方まとめ

当記事をまとめると以下の通りです。

  1. 契約期間中・プロジェクトの途中で退職可能?
  2. 1か月前には自社へ退職を伝える
  3. 転職先を事前に決めておく
  4. バックレはトラブルの元
  5. 最終手段としての退職代行サービス

ここまでSESの辞め方・伝え方について記載してきましたが、私は誰もが「SESを辞めるべき」だとは考えていません。

例えばSESには経験が少ない方の受け皿としての役目がありますし、職場を転々とすることが好きだという方にとってはメリットのある働き方だと思いますので。

あなたは将来、どのようなエンジニアになりたいでしょうか?

今一度、自分自身と向き合って考えてみましょう。

その上で、あなたにとってより良い未来を手に入れるように行動していって欲しいです。