客先常駐として働く人の中には、「いずれは自社で働けると思っていたのに…」と後悔している方もいるのではないでしょうか。
特に新卒や他業種から転職してきた方は、知識や経験がないため、働くイメージを持ちにくい傾向があります。実際に働き始めても、特に客先常駐に不満はないし、このままでいいやと感じている人もいるかもしれません。
しかし、長期的に考えると何のプランもなく、現状維持を続けるのはオススメしません。
客先常駐という働き方は、特に20代の間は需要があるため、引く手あまたでしょう。けれども30代になると、急に年相応のスキルを求められたり、年齢制限に引っかかる機会が増えていきます。結果的に仕事の数が激減してしまうのです。
客先常駐という荒波を生き抜くためには、現状分析と対策が欠かせません。
今回は普段から何を意識して、どのような対策を取っていけばよいかを考えてみようと思います。
会社の将来性について考える
自社開発や受託開発に挑戦しているか
会社の将来性を見極めることは、大切である。
客先常駐だけでなく、自社開発や受託開発をやっているか、またはやろうとしているかで、どのようなキャリアパスを歩めるかが変わってきます。
仮に客先常駐しか道が用意されていない場合、出世や収入を上げていくのは難しいかもしれません。
自社開発に挑戦しているような企業であれば、客先常駐が出来なくなれば、自社での仕事に切り変えることが出来ます。加えて、上流工程から下流工程まで、プロジェクトの全般に関わる機会が得られるので、さらなるスキルアップが望めるかもしれません。
スキルを磨ける環境か
客先常駐では単純スキルばかりが求められる、雑用のような仕事も多いです。
しかし、「スキルが身につくような案件しか受注しない」、「エンジニアの磨きたいスキルに合わせて参画させる」、「周りに尊敬出来る優秀なエンジニアが多い」といったエンジニアにとって働きやすい環境作りに力を入れている会社もあります。
このような企業であれば、長期的に見てスキルを磨くことが出来るでしょう。
先輩の姿は未来の自分
周りの先輩たちを見渡してみて欲しいです。
彼らはあなたの望むような人生を歩んでいるでしょうか?
エンジニアとしてではなく、一人の人間として満足した生活を送っているかが重要です。
先輩たちに以下の特徴があれば、企業に問題が潜んでいるかもしれません。
- 結婚していない人が多い
- やる気のない人が多い
- 怒りっぽい人が多い
- イエスマンばかり
大したことがないと思われるかもしれないが、これらの裏には、ネガティブな理由が隠されている可能性が高いです。
①結婚していない人が多い
→ 一般的な企業では年次が上がるにつれて、給料が増えていきます。妻や子供など、扶養者が増えることを想定しているからです。しかし既婚者が少ない会社では、家族を養えるだけの給料が支給されていない可能性が高いです。
②やる気のない人が多い
→ 会社制度が頑張っても評価されない仕組みになっている、あるいは「頑張らない方がお得」だと思わせる風土があるのかもしれません。
③怒りっぽい人が多い
→ 注意するような人がいない時点で、”まともな人”がいない可能性が高いです。以前はやる気があったとしても、歳を減るごとに変化していったのなら、会社の環境問題を疑ってみましょう。
④イエスマンばかり
→ 社長や上司の権力が強く、意見が採択されにくい環境かもしれません。上の選択が間違っていれば、会社ごと沈没する可能性を秘めています。
周りの先輩は将来の自分なのだと考えておいた方がいいです。
知らず知らずの間に企業文化に染まり、感じていた違和感は”当たり前”に変わります。どのような人生を送りたいか、今一度考えてみましょう。
客先常駐を生き抜くために
現状分析ができたら、これからすべきことを洗い出してみましょう
私が考える客先常駐の生き抜き方をご紹介していきます。
スキルアップの意識を常に持っておく
常駐先の技術をすべて吸収してやる!といった心構えが大切なのだ思います。
業務に直接関係がないことでも、わからなければ調べてたり、周りに相談してみましょう。どんなにつまらない業務からでも、得られるものは必ずあるはずです。
もしどうしても見つからなかったり、やりたいことと方向性が違うと思ったら会社に相談するのもいいでしょう。積極的にやりたいことをアピールし、周囲に望みは伝えていくべきです。
技術的なスキルアップと環境のレベルアップの両輪がなければ、能力を向上させるのは難しいと思います。
汎用的なスキルが身についているか
エンジニアとして重要なことは、どこの企業にいっても通用する汎用的なスキルを身につけておくことです。
例えば、コンピューターが動く仕組みを理解しておけば、トラブルに対処しやすいです。
動きが遅いのあれば、「使用しているメモリが多すぎるのかな?ブラウザを閉じれば解決するかな?」といった予測が出来るでしょう。
「コンピューターはメモリの内容を解析して動いている」といった根本がわかっていないと原因の推測はできません。
このような汎用性のある知識を積み重ねていくことが大切です。
現場を変えてもらう
Webに興味があるのに、組み込み系の仕事をさせられている。
そのような場合、会社に現場を変えてもらえるよう掛け合う必要があるかもしれません。
会社の目的は利益をあげることであって、社員の志向やキャリアプランまでは考えてくれないからです。
自分からアピールしない限り、現状が変わることはないでしょう。
ちなみに客先常駐では高いスキルを求められる案件ほど単価が高いため、企業としては社員の単価を上げたいと考えています。
スキルを高めたいという要望はお互いメリットがあるので、応じてもらえる可能性が高いです。
転職も視野に入れておく
会社によっては、そもそも希望の案件を持ち合わせておらず、現場を変えてもらえないかもしれません。
仕事は単純作業でスキルが身につかない。
そんな時には転職を考えることをオススメします。
ただし辞めてから転職活動をするのではなく、事前に自身の市場価値を確認したり、在職しながら活動してみるといいと思います、
私自身は仕事を辞めてから転職活動したものの、市場との間に想像以上のギャップを感じた経験があります。
- 思っていたより年収が上がらない
- 希望の企業へ行くにはスキルが足りない
といったギャップを感じないように、自身の価値は事前に調査しておきましょう。
転職相談はエージェントへ
転職エージェントは転職のプロです。
彼らに相談することで、自分の市場価値が把握できるようになるでしょう。年収ならどのくらいが相場なのかといったことも教えてくれます。
私自身は「マイナビエージェント」「リクナビエージェント」「レバテックキャリア」に登録し、転職活動を行っていましたが、自身が想像していた市場価値と社会的な価値には違いがあるとわかりました。
現実を直視する勇気
周囲から評価を受けるには、勇気が必要です。
「自分はできる人間だ」と思っていたのに、「大したことのない人間だった」と評価された場合、目を背けたくなるかもしれません。
しかし、目の前の現実から目をそらさず、事実と向き合うことで道は開かれると思います。
一度エージェントに相談してみることは、あなたを把握する絶好のチャンスなのは間違いないでしょう。