客先常駐

客先常駐(SES)から抜け出した転職活動の記録【自社開発 or 受託SIへの転職ログ】

​​SES(客先常駐)を辞めたいと思っても、なかなか転職に踏み切れない人は多いです。

その理由は以下の3点に大別されると考えています。

  1. 自分のスキルに不安がある
  2. 転職先がブラック企業だったらどうしよう
  3. なんだかんだ言っても現状維持が気楽。勇気がでない

これは僕自身が抱えていた不安であり、きっと同じような悩みを抱えて一歩が踏み出せない方は多いと思います。

今回は客先常駐から受託システムインテグレーター(SI)に転職するまでの活動を振り返ってみようと思います。

筆者の学歴と職務経歴

・年齢(29)

・私立大学卒業(産近甲龍レベル)

・中堅鉄鋼商社での法人営業・・・1年半

・職業訓練校(WEB系)・・・3ヶ月

・小規模ソフトウェア会社(SES)・・・3年半

・担当プロジェクト:大手メーカーでのレコーダー開発・評価業務

 

エンジニアの仕事の幅は広い

客先常駐で働いているときには、周りからは次のようなことを言われていました。

  • 辞めても次の仕事は見つからないんじゃない
  • 自社開発や受託開発企業への転職にはスキルが足りない

もちろん転職活動をしてみると、ショックを受ける事実がたくさんありました。

いくら書類を送っても面接にすら辿り着けませんでしたし、求人で求められているスキルとの差に愕然としました。

ただ求人を出している企業は無数にあって、「組み込みエンジニア」だけに絞らなければ、「社内SE」、「WEBエンジニア」、「サーバーエンジニア」といった職種もありなんだな、という学びが得られました。

コロナ禍(2020/12月現在)とはいえ、IT人材は圧倒的に不足してるそうです。緊急事態宣言が出た4-5月頃の求人は落ち込んだものの、大方は元どおりの水準に戻りつつありました。

コロナだから、スキルがないから、自社開発企業なんて見つけられない。

そんなことは決してありません。辞めたい会社に無理して居続ける必要はないと思います。

自分の性質やスキルの振り返りを行おう

転職活動をする前に、自身のスキルを棚卸しするのをおすすめします。できること、できないことを可視化することで、自身の強みや弱みが見えてくるからです。

僕の場合であれば、

強み

  • 好奇心が強い
  • 情報収集力がある
  • 未経験からのリーダー経験(要因:5名程度)

弱み

  • 人見知り気質
  • 上流工程の経験がない
  • 自分で作ったプロダクト/ポートフォリオがない

こんな感じで、整理をしてみました。

また、自身の性格を振り返ることも大切だと思います。

僕はどのような時に楽しいと感じるのだろう?

僕がこれだけはされたくないことって何だろう?

という風に、過去を振り返って、自身の性質について考えてみるのです。

人には生まれ持った気質があります。

これは生まれ持った活発さ、敏感さなどのことですが、一生変わらないと考えられています。そのため、自分の性質について考えることは、自身に適した環境を探すためには不可欠なのです。

転職エージェントに登録しておこう

リクナビやマイナビといった転職サイトの登録だけではなく、転職エージェントに登録することをオススメします。

無料で履歴書の書き方や面接対策をしてくれたり、普通では見つけられない非公開求人を紹介してもらえるメリットがあります。

僕は以下のエージェントに登録して、転職活動をしていました。

  • マイナビエージェント
  • レバテックキャリア
  • リクナビエージェント

転職エージェントの仕組み

エージェントが無料で相談に乗ってくれるのには、もちろんカラクリがあります。

タダほど怖いものはないので、注意が必要です。

彼らのビジネスは報酬型と呼ばれるもので、求職者を企業へ送り込むことで報酬を得ています。つまり、私たちが企業に採用されると、その年収の数十パーセントがエージェントに振り込まれる仕組みになっているのです。

ここで注意しておきたいことは以下の2点です。

  • エージェントには自身の意向をしっかり伝えること
  • エージェントの言うことを鵜呑みにしすぎないこと

どのような職を紹介して欲しいのかを伝えることが大切だと思います。もちろん初めから軸は定まっていなくて構いません。転職活動をしていく中で、やりたいことの方向性が見えてくることは多々あるからです。

もしかしたら企業報酬を得たいがために、企業を手当たり次第に紹介するエージェントがいるかもしれません。そのような時には、担当を変えてもらうことも可能です。人間には好き嫌いがありますので、相性の合う担当を探すとよいと思います。

考えていることや持っている情報や動向は、積極的にエージェントへ共有していきましょう。

転職エージェントと求職者の目指すゴールは同じ

彼らは転職を成功に導いてくれるアドバイザーです。

  • 企業からの内定が欲しい求職者
  • 採用企業からの報酬が欲しいエージェント

お互いの利害は一致しています。

僕は当初、エージェントは金の亡者だと思っていました。

「適当な企業を紹介され転職させられる」、「求職者のことを考えずに、自身の報酬ばかりを追い求める」、そんなイメージでした。

けれども、実際に利用してみると実態は違っていました。

  • 求職者の意向をきっちりとヒアリングしてくれる
  • 無理に企業へ応募させようとしない
  • 希望条件に合う企業を探して、紹介してくれる
  • 内定が出た後も、無理やり就職させようとしない

などなど。求職者が転職するためにはどうすればいいのか、何がよくて何がダメなのかなど、一人では気づけなかったことを指摘してくれる力強い存在でありました。

転職をお考えの方は、ぜひ一度登録してサポートを受けてみて欲しいです。

転職活動の記録

では実際、転職活動はどうなったのでしょうか。結果は以下の通りです。

  • 書類選考(15/100社 通過)
  • 筆記試験(13/15社 通過)
  • 一次面接(4/13社 通過)
  • 最終面接(1/4社 通過)

書類選考は転職サイトを通じて応募しました。当初は大手や中堅メーカーを応募の対象としていましたが、大半が”上流工程の経験が足りない””年齢相応のスキルがない”といった理由で見送りとなりました。そのため、応募する企業の方針を変更することにしました。

筆記、一次選考に進めた企業は以下のタイプでした。

  • SES
  • 受託SI
  • 自社開発
  • 社内SE

僕のスキルレベルでも、自社開発や社内SEの面接に呼んでもらえることは自信になりました。そして、最終的には小規模の受託開発SIに転職することが出来たのです。

ちなみに応募したSES企業はすべて面接までたどり着けており、その他の職種よりハードルは明らかに低かったです。

あなたに合う企業は必ず見つかる

今回が二度目の転職活動でしたが、正直しんどかったです。新卒の就活、転職活動ともに今までは10社以内の応募で内定していました。けれども今回に至っては100社近くからお祈りメールを頂いたからです。

ただ、今回の就職活動は最も充実していたように思います。

「僕は将来何がしたいのだろう」、「どの条件が譲れないのだろう」、「将来どんなエンジニアになっていたいのだろう」

活動をしていく中で、その輪郭が浮かび上がってきたからです。

30歳は新しい職種に挑戦出来る、最後の年だと言われることがあります。

だからこそ、より一層、今この時を大切にしたいと思います。

何を願い、何を思い、何をしたいのか。

周りに流されるのではなく、自身で選択をして、納得した上で、人生を歩んで行きたいです。

自分を見つめ、挑戦し、諦めなければ道は拓けると信じて。

客先常駐を辞めたいけれど、一歩が踏み出せない方へ

客先常駐は嫌だという不満を垂れ流し、現状維持で諦めてしまっていいのでしょうか。

可能性を信じ、目の前の荒野に一歩踏み出さなくて後悔しないでしょうか。

人生は今が一番若いです。

いくつになっても挑戦は出来ますが、若いうちの方が失敗した時の傷は浅く済みます。

行動するかしないかは、あなた自身です。